●2025年4月~

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夏休み!海や川での水の事故を防ごう!



夏休みになるとご家族で海水浴や川遊び、プールなどに出かける方も多いのではないでしょうか?
けれども水の事故は毎年のように起きており、命に関わることもあるので注意が必要です。
海や川に遊びに行く前に、水の安全について考えてみませんか?

●海や川遊びで事故が起こりやすい状況
・波打ち際や浅瀬で遊んでいるとき(ほんの数cmの深さでも溺れます)。
・海や川で脱げたサンダルや落とした帽子やボールなどを追いかけてしまう。
・深みにはまってしまったり、強い流れや離岸琉に流されてしまう。
・上流で大雨が降り急に川が増水して中瀬に取り残されたり、流されたりしてしまう。
・子どもが大人と別行動をとった隙に事故にあってしまう。

●こどもは静かに溺れるってご存じですか?
 実際に子どもが溺れる場合、助けを呼ぶ声も出せず、静かに沈んでいくことが多いそうです。そのため、ちょっと目を離した隙に、気づかないうちに水難事故にあってしまうことが少なくないのです。
 そのため、こまめな声かけと子どもから目を離さないことが大切です。

●「浮いて待て」が命を守る
 溺れてしまったとき、パニックになってしまうと体力を消耗しやすくなります。
 そうなるとかえって沈みやすくなってしまうので、無理に泳ごうとせず、力を抜いて背浮きの態勢で浮かび助けを待つのが一番、救助してもらうまでの時間がかせげます。
 ライフジャケットを着用している場合には背浮きよりも、膝を抱え込むヘルプ姿勢で待つのが良いとされています。

●ライフジャケットを着用しましょう
 海や川、プールなどで遊ぶとき、浮き輪だと身体から抜けてしまうことがあるので不十分です。
 そこでおススメしたいのはライフジャケット。ライフジャケットなんて大げさと思うかもしれませんが、しっかりとサイズが合っているものを着用することで、万が一溺れてしまったときの生存率がぐんと上がります。途中で脱げてしまうことがないように股下ベルトがあるものを選びましょう。

●アクアシューズがおススメ
 砂浜や川べりでは濡れて滑りやすくなっていたり岩場があったりと不安定な場所が少なくありません。水辺というとビーチサンダルが思い浮かぶかもしれませんが、踏ん張りがきかず、脱げやすいので事故につながりやすかったりします。そこでおススメなのが「アクアシューズ」、足にしっかりフィットして滑りにくいため動きやすくなります。

●川遊びでは親が川下に立つようにしましょう
 流れが緩やかそうな川でも、浅い川であっても、深みがあったり一部流れが速く強い場所があったりと、どんな川でも危険は潜んでいるものです。
 そのため子どもだけで水に入ることは避けましょう。必ず大人が川下に立ち、万が一何かあっても受け止められるようにすることが大切です。

●もしも溺れているのを見つけたら
 ★消防・救急は119番★ ★海上保安庁は118番★
 私たちにできることは消防や救急への通報、励ましの声かけ、陸上からロープや浮くものを投げるなどのみです。泳げるからといって飛び込んでしまうと二次災害につながる可能性が高くなってしまいます。
 ロープなどで引き上げることができたなら、意識がない場合は救急車を呼び、待つ間に人工呼吸や心臓マッサージ、AEDの使用などを的確にできるようにしましょう。また嘔吐があった場合は横向きに寝かせて喉に吐物がつまらないようにしましょう。

●海や川での水難事故を防ぐために
 まずは遊泳禁止の場所では決して泳がないことが鉄則です。そのうえで大人は子どもから目を離さず、手の届く範囲で見守ることが大切です。海岸や川岸でバーベキューなど水遊び以外のことをしていても、子どもだけでふらっと水に入ってしまうことがあるので、絶対に目を離さないことが重要です。
 サンダルや帽子など物が流されてしまっても追いかけることがないように事前に親子で確認しておきましょう。

 海や川で遊ぶ子どもたちは、非日常的なこともあいまって、とても楽しんでいるように見えるかと思います。
 しかし、遊泳可能な場所であっても、海岸や川岸で遊んでいても、海や川には常に危険が潜んでいます。ほんの少し目を離したからに大切な命が奪われてしまう可能性があります。
 海や川遊びからの帰り道、楽しかったと笑顔で言えるように、できる予防をしっかり行いながら安全に楽しい水遊びをしましょう!

ペットボトル症候群にご注意を!



毎日暑い日が続いていますね。
こう暑い日が続くと冷たいジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクなどが美味しく感じますね。
水分補給にと清涼飲料水をたくさん飲んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。でもちょっとまって!甘い飲み物のとりすぎでおこる「ペットボトル症候群」という病気があることはご存じですか?
今回はこの「ペットボトル症候群」について書いてみたいと思います。

●ペットボトル症候群って何?
正式には「清涼飲料水ケトーシス」呼ばれ、糖分の多い飲み物を多量に飲むことで血糖値が急激に上昇し、血液中のブドウ糖やヶトン体が異常に高くなることで様々な症状が現れます。
糖尿病と診断されていない人でも年齢問わず突然発症する可能性があり、重篤な場合には意識障害を起こしたり命に関わることもある危険な病気です。

●発症しやすい人はどんな人?
 ・日常的に清涼飲料水の接種が多くなりがちな20代~30代の若年者
 ・肥満傾向な人
 ・運動不足の人
 ・糖尿病の家族歴がある人
 ・抱えるストレスが多い人

●ペットボトル症候群の症状は?
 ・ひどい喉や口の渇き
 ・多尿
 ・倦怠感
 ・腹痛や吐き気
 ・意識の低下や昏睡状態

●実は多い清涼飲料水の糖分
500mlあたり、
 ・スポーツドリンク(角砂糖8個分)
 ・炭酸飲料(角砂糖17個)
 ・甘いコーヒー飲料(角砂糖6個)
 ・100%オレンジジュース(角砂糖13個分)
 ・野菜ジュース(角砂糖6個)

●危険な悪循環

お茶や水よりも口当たりがよく飲みやすい冷えたジュースやスポーツドリンクなどを飲んで血糖値が上がると、 余分な糖を排出するために尿の量や回数が増え、喉が渇いてまた糖分の多い飲み物を飲み、さらに血糖値が上がってしまうことにつながるので注意が必要です。

●おススメの水分補給
水分補給には、糖分が含まれていないお水やお茶が最適で、特にノンカフェインの麦茶やルイボスティーなどをこまめに飲むのがおススメです。ちょっと刺激が欲しいときには無糖の炭酸水を飲むのも良いと思います。
最近は清涼飲料水でも、カロリーオフ、低糖・微糖、ノンシュガーなど糖分を控えた商品も多く出ていますが、全く糖分が含まれていないわけではないので選ぶ際には成分表をチェックしましょう。
汗をかいたときには、ミネラル補給のためにスポーツドリンクや経口補水液と、水分補給のために麦茶やお水とを半分ずつぐらいで意識して摂るのが良いそうです。

カフェインを含む飲料やアルコールは利尿作用があるため水分補給には適しません
甘い飲み物も嗜好品として楽しむ程度にしましょう。

しっかり正しい水分補給をして、元気に楽しい夏を過ごしましょう!

お弁当づくりで気をつけたい夏の食中毒対策



先日、食中毒についての記事をアップしました。
それに引き続き、今回はお弁当づくりで気を付けたい夏の食中毒対策について書いてみたいと思います。

保育園や幼稚園、学校や職場、レジャーにお弁当を持っていく方も少なくないのではないでしょうか?
これからの季節、気温や湿度が上がり、作ってから食べるまでに時間がかかるお弁当も傷みやすくなり食中毒の危険性も高まります。
せっかくのお弁当を美味しく楽しく食べられるように、味付けやおかずの種類など気を付けて作るようにしましょう。

●お弁当を作る前に気を付けること
・手を石鹸でよく洗う。
・お弁当箱はパッキンも外し洗剤でよく洗いしっかり乾燥させておく。
・食材に触れるお皿や調理器具もよく洗い煮沸や口に入っても大丈夫なアルコールスプレーで消毒する。

●調理のときに気を付けること
・調理中も生肉や生魚、卵を触った後は石鹸でよく手を洗う。
・中心部までしっかり加熱する(中心部が75℃以上で1分以上)。
・前日に調理したものを入れる場合も中心部までしっかりと再加熱する。
・おにぎりはラップなどで包んで握り素手で触らない。
・スマホでレシピなどを見ながら調理する場合は、スマホに触ったら石鹸で手洗いする。
・ハムやちくわなどそのまま食べられる加工食品も一度加熱する。
・味付けは濃いめにする。

●詰めるときに気を付けること
・箸やスプーン、使い捨て手袋などを使用し素手でおかずやご飯に触らない。
・料理の水分をきちんと切る。
・おかずやご飯はしっかり冷ましてから詰める。
・カップやバランなどを使用してご飯やそれぞれのおかずが触れないように詰める。

●傷みやすい食材
・生野菜、果物
(ヘタを取ってよく洗って水けを切ったミニトマトを切らずに丸ごと詰めるのはOK
・半熟卵、生卵

・芋類(ポテトサラダ、マッシュポテトなど)
・混ぜご飯、チャーハン
・煮物(特に水分の多いもの)
・マヨネーズを使用した料理
・カレーやシチュー

●傷みにくくする一工夫
・食材を詰める前にお弁当箱を酢で拭く。
・自然解凍で食べられる冷凍食品のおかずを入れてお弁当を冷やす。
・調味料に醤油、酢、カレー粉、梅干し、ワサビ、生姜など抗菌作用の強いものを使用する。

●持ち歩きの注意
・涼しいところに保管して早めに食べる。
・お弁当用の抗菌シートを活用する。
・お弁当の蓋の上と底の下に保冷剤を挟むように入れて保冷バックに入れる。

暑い時期のお弁当づくりは気を付けなければならないことがたくさんあります。
でも、作る際の注意やちょっとした工夫で食中毒になるリスクは大幅に減らすことができます。
美味しいお弁当の時間を楽しめるよう、しっかり気を付けていきましょう。

そして、一番大切なことは、食べようとお弁当を開けたときに少しでもにおいや味がおかしいと感じたら食べないようにすること。
もったいないと思うかもしれませんが、食中毒を防ぐためにもそこはしっかりと守りましょう。

食中毒に注意しましょう!



梅雨入りして1週間ほど、蒸し暑くてじめじめした日々の中、この時期に気を付けないといけないのが食中毒です。
そこで今回は食中毒について書いてみたいと思います。

●食中毒とは
食中毒を起こす原因となる細菌やウイルスがついた食べ物を食べることによって、下痢や腹痛、発熱、嘔吐などの症状が出ます。原因によって症状や発症までの時間は様々です。時には命に関わることもあります。
梅雨時から9月頃にかけての高温多湿の時期には細菌性の食中毒、冬場はウイルス性の食中毒が多くなります。

●食中毒を起こしたら
・水分を摂って脱水を防ぐ(経口補水液やスポーツドリンクがおすすめ)。
・消化の良い食事にする(おかゆ、うどん、バナナ、プリン、ゼリーなど)。
・下痢は無理に止めない(止めると腸内で菌やウイルスが増え症状が悪化することがある)。

●予防のための3原則
     食べ物に菌を『つけない』
・手洗いをしっかり行う(帰宅時、調理前後、食事前、トイレやオムツ交換の後など)。

・調理器具を清潔にする(洗剤で良く洗った後に漂白剤などで消毒し乾燥させて保管する)。
・生の肉や魚は細菌やウイルスが潜んでいる可能性が高いため他の食品と分けて調理や保存をする。

     ついた菌を『増やさない』
・冷蔵や冷凍が必要な食品を購入したらできるだけ早く冷蔵庫や冷凍庫に入れる。

・冷蔵庫の温度管理をきちんと行う(冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ)。
・加熱調理したものは温かいうちすぐに、冷やして食べるものは直前に冷蔵庫から出し速やかに食べる。

     残った菌を『やっつける』
・肉や魚はしっかり加熱する(加熱の目安は中心部の温度が75℃以上で1分以上)

・まな板、包丁、フキンなどは、熱湯や漂白剤で殺菌する。

食中毒は誰にでも起こりうる病気ですが、予防できる病気でもあります。
予防のための3原則を守って、おいしく楽しく梅雨から夏を乗り切りましょう。

ただ、どんなに気を付けていても細菌やウイルスは目に見えるものではないので防ぎきれないこともあります。
症状が辛いときや、水分や食事が摂れない場合などは、無理せず早めに受診されてくださいね。

もしかして気象病?梅雨だるかも?


関東地方でも昨日梅雨入りしましたね。梅雨時には頭痛や肩こり、倦怠感など体調がすぐれないという方も少なくないのではないでしょうか?
もしかしたらそれはこの時期になりやすい気象病・梅雨だるかもしれません。
そこで今回は気象病・梅雨だるについて書いてみたいと思います。

●気象病・梅雨だるって?
気圧や気温、湿度などの変化によっておこる体調不良のことを言います。それらの変化により内耳のセンサーが過剰に反応してしまうことで体調不良が起こります。
天気が不安定な梅雨時や台風の時期、季節の変わり目でも起こりやすいと言われ、我慢できる程度のものから薬で対処が必要な症状まで個人差もあり症状も様々です。
関節痛や神経痛、喘息、心疾患、低血圧、リウマチなどの持病がある方は症状が悪化することもあるので注意が必要です。

●気象病の主な症状
・倦怠感や眠気
・肩こりや関節痛、神経痛の悪化
・頭痛、頭重感
・めまいや耳鳴り
・気分の浮き沈み

●気象病に負けないためのセルフケア
・朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びる。
・規則正しい生活を送り、体内時計のリズムを保ち、自律神経の乱れを防ぐ。
・バランスの良い食事を心がける。
・カフェイン・アルコールの過剰摂取を控える。
・ストレッチなどの軽い運動を習慣づける。
・入浴で血流を良くする。
・寝る前のスマホやパソコンの使用を避ける。
・エアコンなどを活用し湿度や室温を適切に保つ。

気象病は気圧や天候が影響して体調が悪くなるものですが、周りの人にはなまけているように見えてしまうかもしれません。しかし症状には個人差があり、重いと生活に支障をきたしたり生活の質を大きく落としたりしてしまう可能性もあります。
自分の体調を振り返って、またご家族や同僚の方など、天候が悪いときだけ体調不良が起きる場合は気象病である可能性も考えてみましょう。

気になる症状がある場合には、お気軽にひかりファミリークリニックにご相談ください。
症状に応じ、漢方薬を含めたお薬の相談も可能です。
外来はもちろん、curonでのオンライン診療もご活用ください。

熱中症に気を付けよう!



そろそろ熱中症での救急搬送のニュースが聞かれるようになってきました。
真夏に発症するイメージが強いかと思いますが、身体が暑さに慣れていないこの時期も熱中症になりやすいため注意が必要です。
そこで、今回は熱中症について書いてみたいと思います。

●熱中症とは?
熱中症では、高温や多湿の環境によって、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり体温調節機能が動かなくなったりして、様々な不調が現れます。
重度になると命に関わることもあり、日頃からの予防対策や、早期発見・早期対応が重症化を防ぐカギになります。
炎天下や高温の中での仕事や運動、レジャーなどではもちろんのこと、高温多湿の屋内でも熱中症になる例が多くみられます。
特に乳幼児や高齢者は熱中症になりやすいため注意しましょう。

●熱中症の起こりやすい状況は
・屋外での運動や作業を長時間行う
・窓を閉め切った気密性の高い部屋でエアコンをつけずに過ごす
・エンジンを切った車内
・疲労や寝不足、二日酔いなどで体調が不十分な状態
・水分補給できない状況

●熱中症の主な症状
・Ⅰ度(軽傷):足がつる、めまい、立ち眩み、頭痛、大量の発汗な
   →応急処置で対応可能
・Ⅱ度(中等症):頭痛、吐気、身体のだるさ、脱力、判断力低下など
   →病院への搬送が必要  
・Ⅲ度(重症):意識消失、意識障害、けいれん、高体温、発汗停止
    →集中治療が必要

●応急処置
・エアコンが効いている室内や、風通しの良い日陰など涼しい場所に移す。
・着ている服をできるだけ脱がせて、こもっている熱を逃がす。
・身体に水をかけたり、わきの下や太ももの付け根、首の下などを氷などをつかって冷やしたり、扇風機などで身体に風をかける。
・水分がとれそうなら、経口補水液やスポーツドリンクなど塩分の入った水分を飲む。
 (意識が朦朧としている場合、気道への誤嚥の可能性があるため注意が必要)

●必要と感じたらすぐに病院へ
熱中症と思われる症状があり、意識がなかったり、呼びかけへの反応が鈍かったりした場合はすぐに救急車の手配を。
吐気などがあり処置をしても改善しない場合、水分が取れない場合には、すぐに救急外来を受診されてください。

●救急車を呼ぶか迷ったら…
茨城県救急電話相談
 ・おとな救急電話相談(15歳以上)  #7119
 ・子ども救急電話相談(15歳未満)  #8000
 へ電話をかけて相談しましょう。

●予防のためにできること

①暑さを避ける
 ・屋外では熱い場所や直射日光を避け、なるべく日陰で過ごす。
 ・炎天下でのスポーツや遊びなど、長時間の活動を避ける。
 ・外出時は日傘や帽子を使用する。
 ・屋内でもエアコンや扇風機を使用して室温や湿度を調節する。
 ・遮光カーテン、すだれやよしずの利用、打ち水の実施。
 ・通気性や吸湿性の良い服装をする。
 ・保冷剤、ネッククーラーなどで身体を冷やす。
 ・全国の市町村で設置しているクーリングシェルターを利用する。

②適切な水分補給
 ・こまめな水分補給を行う(喉の渇きを感じた頃には脱水が進んでいる場合が多い)。
 ・水分はスポーツドリンクや経口補水液がおすすめ。大量に汗をかいたら塩分補給も意識する。
 ・コーヒーやお茶、アルコール類は利尿作用があるため水分補給に適さないので注意。


③休息をとる
 ・休憩をこまめにとりあまり身体を疲れさせすぎないようにする。
 ・とくにお子様は夢中で遊んでいると休憩しないので周囲の大人が気に掛ける。
 ・普段からバランスの良い食生活を心掛け、睡眠をしっかりとるようにする。

●お子さまを熱中症から守るために
 ・こまめに十分な水分補給を行う
 ・風通しの良い涼しい服装をさせる
 ・汗のかき方や顔色の変化を気に掛ける
 ・外遊びなどでは徐々に暑さに慣れさせる

 ・地面に近くなるほど気温が高くなるため、ベビーカーや背の小さい子どもでは特に注意

長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
これから暑さは増すばかりですが、体調の変化に気を付けながら、楽しい夏を過ごせるように準備していきましょう。

感染性胃腸炎の家庭内感染を防ぐためにできること



胃腸炎の患者様が多く来院されています。

感染性胃腸炎の場合、家庭内感染や、施設内感染が容易に発生してしまいます。

 

そこで、家庭内などでの感染を防ぐために、嘔吐物や排せつ物の処理方法をご紹介したいと思います。

おう吐してしまった際の吐しゃ物や便の処理を正しく行い家族内での感染を防ぎましょう。

 

おう吐や下痢症状はいつ起こるかわかりません。

いざその時に困らないように、処理に必要なものをバケツ等にひとまとめにしておくことをおススメします。

処理の仕方ひとつで、感染を防げることもありますが、逆に感染を広めてしまう可能性もあるのでご注意くださいね!

ここでは嘔吐物の処理について書いていきますが、下痢で汚してしまったときも同じ対応で大丈夫です。

 

というわけでまずは準備しておくもの。

     次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ピューラックス、ミルトンなど)

     ビニール袋2枚以上

     バケツ

     使い捨てのマスク・エプロン(又はゴミ袋)・手袋

     ペーパータオや使い捨てのタオル等

     希釈用のペットボトル

 

1.嘔吐してしまった。そんなときは感染リスクを減らすために近くにいる人を移動させると良いでしょう。

2.しっかりと換気をしながら処理をしましょう。

3.ビニール袋はバケツ等にセットし汚染物を捨てやすいように口を開けておきましょう。

4.消毒液をペットボトル等に次亜塩素酸の原液と水を加え、0.1%に希釈します。

 

それではここからは本格的に処理の開始です!

5.自分が感染しないために、マスクをつけ、使い捨ての手袋、使い捨てのエプロンをしましょう(エプロンは無ければゴミ袋で代用できます)。

6.吐しゃ物等の汚物は中央に寄せるようにふき取っていきます。乾くと粉塵になって漂い感染を広めてしまうことがあるため乾燥させないように注意が必要です。

7.吐しゃ物等の汚物を中心に半径2ⅿを消毒します。おう吐した際は目に見えない範囲までも意外と飛び散っているものなのです。

8.消毒液に浸した紙を広げるか、広げた紙に消毒液を十分に噴霧し10分ほどおいておきます。

9.ふき取った吐しゃ物や使用した紙や布などは袋に入れて消毒液をかけて口を閉める。その際、勢いよく中の空気を抜かない、汚染されている内側を触らないように注意!

もう1枚のビニール袋の中に先ほど閉めた袋を入れ、身に着けていた手袋、エプロン、マスクなども一緒に処分する。手袋・エプロン・マスクを外す際には表面(外側)を触らないように注意!袋の口を閉める際には勢いよく空気を抜かないこと、袋の内側を触らないことに注意!

10.すべての処理が終了したら石鹸で十分に手洗いをし、うがいもしましょう。

 

こう書き出してみるとちょっと大変に感じるかもしれません。

でもそのちょっとの手間をしっかりやることが、周りに感染を広めないために、自分が感染しないためには大切だったりするのです。

何でもないときに家族で1度練習してみるのも良いかもしれません。

 

それでも感染症は完全に防げるものであはりません。

自宅でいくら気を付けていても外でもらってきてしまうこともあるでしょう。

体調不良を感じたら、お気軽に当院をご活用くださいね。

りんご病(伝染性紅斑)ってどんな病気?



ここ最近、りんご病かもしれないという受診の方がいらっしゃっています。

子どもがよくかかる感染症として知られていますが、実は大人もかかることがあります。
今日はそんなりんご病についてです。

●りんご病って?
りんご病はヒトパルボウイルスB19による感染症です。両頬がりんごの様に赤くなることからりんご病と呼ばれていますが、正式名称は伝染性紅斑といいます。
冬から春にかけて流行しやすい感染症で、4~5年周期で大きな流行を繰り返す傾向にあり、今年は流行年のようです。

●どんな症状がでるの?
感染すると1~2週間程度の潜伏期間の後、微熱、軽い咳や鼻水など風邪のような症状が現れることがありますが、まだ頬の赤みは出てきません。この時期が一番感染力の強い時期となります。
風邪のような症状が治まった数日後に両頬に湿疹が出てりんごのように赤くなります。さらに、腕や太ももなどにレース状の発疹が出ますが痒みはありません。この時期にはもう感染力はなく、発疹は1~2週間で自然に消失します。

●大人がかかると?
大人が感染すると関節痛がみられることがあり、数週間続くこともあります。
妊娠中の方(特に妊娠初期の方)が感染した場合、稀に胎児に影響を及ぼすことがあるので特に注意が必要です。

●どうやって感染するの?
りんご病の感染経路は飛沫感染と接触感染です。
ただし、発疹が現れる前が最も感染力が高く、発疹が出る頃には感染力はほとんどなくなっています。

●予防法は?
・とにかく手洗い・うがいを徹底することが大切。
・りんご病が流行している場所を避ける。
・職場や家庭内などで感染者が出た場合はマスクをして接触を極力避ける。
※一般的な消毒が効きづらいため、石鹸を使ってこまめに手を洗うことが一番です。

●診断や治療方法は?
りんご病の診断は、主に特徴的な湿疹などの症状や流行をもとに行います。迅速検査はありません。
治療としては、特別な治療薬はないため、症状に応じた対症療法を行います。

●りんご病にかかったら保育園や学校、仕事はどうする?
頬の赤みなどの発疹が出た頃には感染力がなくなっているため、頬が赤くなってりんご病と診断された場合には、元気な場合は登園・登校、出勤してもかまいません。保育園や学校の規定があることもあるので、それぞれご確認ください。

●りんご病にかかったときのケア
《感染者へのケア》
・十分な水分補給と休養をとる。
・発熱がある場合は解熱剤の使用も検討する。
・発疹が出ているときは身体を温めると発疹や痒みがひどくなることがあるので、湯船につかることは避けてぬるめのシャワーにする。
・発疹が治まっても陽にあたると再発することがあるので、発疹が治まった後も1週間ぐらいは直射日光に長時間あたることを避ける。
・妊娠中の場合は早めに産婦人科を受診し胎児への影響がないか診てもらう。
《家族などの対応》
・こまめに手洗いうがいをする。
・マスクをする。
・食器やタオルなどの共用を避ける。
・妊娠中の場合は極力接触を避ける。

どれだけ予防をしていても、かかってしまうこともあります。
気になる症状がありましたら当院をご活用ください。

大人も子どももはしか(麻疹)にご注意を!



日本国内ではしかに感染した方が相次いで確認されていますね。

県内でも4月12日に20代の女性の感染が発表され6人目となり、直近で感染が確認された一昨年の1人を既に上回っています。
身近な地域で起こってくるとご不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
今回は、はしか(麻疹)について書いてみようと思います。 

●はしかとは?
式名称は麻疹(ましん)と言い、麻疹ウイルスによる急性の全身感染症です。

●どうやって感染するの?
感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染があります。
この中でも空気感染が一番やっかいで、感染者が咳をするとウイルスが空気中をしばらく漂い、その空気を吸い込んだり、粘膜に付着したりすることで感染します。
麻疹のウイルスは非常に小さく感染力が強く、1人あたり1214人に感染させる力をもっています。これは何とインフルエンザの10倍です。
そして空気感染は普通のマスクで防ぐことは難しく、感染者と同じ空間にいるだけで感染してしまうこともあります。

●はしかは1回かかるともうかからない?
はしかは免疫のない方が感染してしまうと90%以上が発症し、一度かかると一生免疫が続くと言われています。

●予防法は?
効果的な予防法はワクチン接種であらかじめ抗体を獲得しておくことのみとなります。
2回のワクチン接種が重要で、日本では1歳になってすぐと、小学校入学前の2回の定期接種が行われていますので、時期が来たら忘れずに早めに受けるようにしましょう。
大人の方の場合は、麻疹にかかったことのない場合やかかったことがあるか分らない場合は、母子手帳などで予防接種歴を確認してみましょう。自費になりますが、抗体があるかどうかの検査(血液検査)もあります。

●どんな症状がでるの?
①潜伏期:体にウイルスが入ってから症状が出るまで1012日と言われています。

②カタル期:38℃以上の発熱・鼻水・咳・痰など、風邪と同じような症状が出ます。頬の粘膜にコプリック班と呼ばれる白い発疹が出ることが特徴ですが、感染者全てに現れるわけではないため初期では診断が難しい病気でもあります。この時期が最も周囲への感染力が強い時期です。
③発疹期:カタル期の後に一旦熱が下がりますが、再度38℃以上の高熱になり、顔や耳の後ろあたりから赤い発疹が出始めその後全身に広がります。発疹は最初は鮮やかな赤色で、その後ボツボツと盛り上がり、発疹が合わさり、まだらな班状の湿疹になるのが特徴的です。
④回復期:解熱し、風邪症状も落ち着いてきます。発疹も引いていきますが、色素沈着がしばらく残ります。

●重症化や合併症
通常、発疹が出てきて3~4日後に解熱し徐々に症状は改善していきますが、約30%で様々な合併症がみられ、肺炎や脳炎などを起こすことがあります。特に子どもが感染した場合、気道が狭いために呼吸困難など重症化しやすく、1000人中13人は死亡するという致死率の高い感染症でもあるのです。
また、妊娠中に感染すると流産・早産・死産が3~4割の確率で起こってしまうので注意が必要です。

●治療法
はしかに効く薬は残念ながら無いため、基本的には症状に合わせてお薬を使用する対症療法を行います。

●はしかにかかったら仕事や学校はどうする?
はしか=麻疹は学校保健法の第二種感染症になっているため、解熱した後3日間は出席停止になります。

●もしかして感染した?
症状からはしかの感染が疑われる場合は、必ず保健所に連絡の上、保健所の指示に従って医療機関を受診するようお願いいたします。

 

予防の部分で麻疹に有効なワクチンについて触れましたが、当院での取り扱いはMR(麻疹・風疹混合)ワクチンです。

ただし、現在、製造メーカーの一部でのワクチン回収等の影響で、国内全体で麻疹の予防に対応するワクチンが不足しています。そのため、もし接種のご希望を頂いても現状では順番待ちとなっている状況です。ワクチン接種のご希望はお伺いいたしますが、ワクチンが届き次第での接種となり、接種まで数か月かかる可能性をご了承頂けますようお願いいたします。

百日咳に注意しましょう!



全国で百日咳の報告数が増加していますね。

感染しないために、感染させないために、手洗い、うがい、手指消毒、咳エチケット、換気など基本的な感染対策をしっかり行っていきましょう。

咳や鼻水などの風邪症状から始まる百日咳。
予防接種で防げるものではありますが、ワクチンを接種していてもかかる場合があります。
また、子どもの頃にワクチンを接種していても効果が切れてしまった大人も感染してしまいます。
特に乳幼児では重症化することもありますので注意が必要です。

百日咳は百日咳菌に感染することで引き起こされる急性の呼吸器感染症です。
咳が治まるまでに100日間と長い時間がかかることから百日咳と呼ばれています

主な感染経路は、感染している方の咳などのしぶきから感染する「飛沫感染」です。
感染力は強く、百日咳に対する免疫を持っていない集団に1人の感染者がいた場合、16~21人に感染させてしまうと言われています。

     カタル期(約2週間)
7~10日の潜伏期間の後、軽い風邪症状から始まり、徐々に咳の回数が増えて激しい咳になります。この時期では症状が風邪とほとんどかわらないため診断は難しいのですが、感染力は最も強い時期です。

     痙咳期(2~3週間)
カタル期よりもさらに咳が強くなり、コンコンと激しい咳が続いた後、ヒューっと息を吸い込む音を繰り返します。

     回復期(2~3週間)
徐々に激しい発作がなくなり、発症から2~3か月で回復します。


百日咳の咳はとても激しいので、 息ができない感じになったり、咳込みすぎて吐いてしまうこともあります。
乳幼児の場合は突然息が止まってしまうこともあるため、咳や呼吸の状態をよく観察してあげることが必要になります。

治療としては、百日咳菌には抗生剤が有効で、適した抗生剤を内服すれば、5日後には百日咳菌を周りにうつすことはなくなります。ただ、症状が改善するかどうかはその方にもより、咳が落ち着くまでには時間がかかることも少なくありません。



風邪だと思っていても、咳が激しくなっていったり、長引いているときは一度受診されることをおすすめします。早めの受診が、感染の拡大を防ぐことにつながります。


また、予防接種で百日咳にかかるリスクを80~85%程度減らせると言われていますので、感染予防のためには何より予防接種を受けておくことが重要です。
百日咳の予防につながる5種混合の予防接種は生後2ヶ月から接種可能な定期接種となっていますので、時期がきたら早めに接種しておきましょう!

当院でも小児の予防接種を行っておりますのでお気軽にご相談ください。
ワクチン接種は完全予約制でご予約を頂いてからワクチンを取り寄せているためご予約には1週間程度余裕をもってご連絡頂けます
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