●大人も子どももはしか(麻疹)にご注意を!

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大人も子どももはしか(麻疹)にご注意を!



日本国内ではしかに感染した方が相次いで確認されていますね。

県内でも4月12日に20代の女性の感染が発表され6人目となり、直近で感染が確認された一昨年の1人を既に上回っています。
身近な地域で起こってくるとご不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
今回は、はしか(麻疹)について書いてみようと思います。 

●はしかとは?
式名称は麻疹(ましん)と言い、麻疹ウイルスによる急性の全身感染症です。

●どうやって感染するの?
感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染があります。
この中でも空気感染が一番やっかいで、感染者が咳をするとウイルスが空気中をしばらく漂い、その空気を吸い込んだり、粘膜に付着したりすることで感染します。
麻疹のウイルスは非常に小さく感染力が強く、1人あたり1214人に感染させる力をもっています。これは何とインフルエンザの10倍です。
そして空気感染は普通のマスクで防ぐことは難しく、感染者と同じ空間にいるだけで感染してしまうこともあります。

●はしかは1回かかるともうかからない?
はしかは免疫のない方が感染してしまうと90%以上が発症し、一度かかると一生免疫が続くと言われています。

●予防法は?
効果的な予防法はワクチン接種であらかじめ抗体を獲得しておくことのみとなります。
2回のワクチン接種が重要で、日本では1歳になってすぐと、小学校入学前の2回の定期接種が行われていますので、時期が来たら忘れずに早めに受けるようにしましょう。
大人の方の場合は、麻疹にかかったことのない場合やかかったことがあるか分らない場合は、母子手帳などで予防接種歴を確認してみましょう。自費になりますが、抗体があるかどうかの検査(血液検査)もあります。

●どんな症状がでるの?
①潜伏期:体にウイルスが入ってから症状が出るまで1012日と言われています。

②カタル期:38℃以上の発熱・鼻水・咳・痰など、風邪と同じような症状が出ます。頬の粘膜にコプリック班と呼ばれる白い発疹が出ることが特徴ですが、感染者全てに現れるわけではないため初期では診断が難しい病気でもあります。この時期が最も周囲への感染力が強い時期です。
③発疹期:カタル期の後に一旦熱が下がりますが、再度38℃以上の高熱になり、顔や耳の後ろあたりから赤い発疹が出始めその後全身に広がります。発疹は最初は鮮やかな赤色で、その後ボツボツと盛り上がり、発疹が合わさり、まだらな班状の湿疹になるのが特徴的です。
④回復期:解熱し、風邪症状も落ち着いてきます。発疹も引いていきますが、色素沈着がしばらく残ります。

●重症化や合併症
通常、発疹が出てきて3~4日後に解熱し徐々に症状は改善していきますが、約30%で様々な合併症がみられ、肺炎や脳炎などを起こすことがあります。特に子どもが感染した場合、気道が狭いために呼吸困難など重症化しやすく、1000人中13人は死亡するという致死率の高い感染症でもあるのです。
また、妊娠中に感染すると流産・早産・死産が3~4割の確率で起こってしまうので注意が必要です。

●治療法
はしかに効く薬は残念ながら無いため、基本的には症状に合わせてお薬を使用する対症療法を行います。

●はしかにかかったら仕事や学校はどうする?
はしか=麻疹は学校保健法の第二種感染症になっているため、解熱した後3日間は出席停止になります。

●もしかして感染した?
症状からはしかの感染が疑われる場合は、必ず保健所に連絡の上、保健所の指示に従って医療機関を受診するようお願いいたします。

 

予防の部分で麻疹に有効なワクチンについて触れましたが、当院での取り扱いはMR(麻疹・風疹混合)ワクチンです。

ただし、現在、製造メーカーの一部でのワクチン回収等の影響で、国内全体で麻疹の予防に対応するワクチンが不足しています。そのため、もし接種のご希望を頂いても現状では順番待ちとなっている状況です。ワクチン接種のご希望はお伺いいたしますが、ワクチンが届き次第での接種となり、接種まで数か月かかる可能性をご了承頂けますようお願いいたします。

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