
ここ最近、りんご病かもしれないという受診の方がいらっしゃっています。
子どもがよくかかる感染症として知られていますが、実は大人もかかることがあります。
今日はそんなりんご病についてです。
●りんご病って?
りんご病はヒトパルボウイルスB19による感染症です。両頬がりんごの様に赤くなることからりんご病と呼ばれていますが、正式名称は伝染性紅斑といいます。
冬から春にかけて流行しやすい感染症で、4~5年周期で大きな流行を繰り返す傾向にあり、今年は流行年のようです。
●どんな症状がでるの?
感染すると1~2週間程度の潜伏期間の後、微熱、軽い咳や鼻水など風邪のような症状が現れることがありますが、まだ頬の赤みは出てきません。この時期が一番感染力の強い時期となります。
風邪のような症状が治まった数日後に両頬に湿疹が出てりんごのように赤くなります。さらに、腕や太ももなどにレース状の発疹が出ますが痒みはありません。この時期にはもう感染力はなく、発疹は1~2週間で自然に消失します。
●大人がかかると?
大人が感染すると関節痛がみられることがあり、数週間続くこともあります。
妊娠中の方(特に妊娠初期の方)が感染した場合、稀に胎児に影響を及ぼすことがあるので特に注意が必要です。
●どうやって感染するの?
りんご病の感染経路は飛沫感染と接触感染です。
ただし、発疹が現れる前が最も感染力が高く、発疹が出る頃には感染力はほとんどなくなっています。
●予防法は?
・とにかく手洗い・うがいを徹底することが大切。
・りんご病が流行している場所を避ける。
・職場や家庭内などで感染者が出た場合はマスクをして接触を極力避ける。
※一般的な消毒が効きづらいため、石鹸を使ってこまめに手を洗うことが一番です。
●診断や治療方法は?
りんご病の診断は、主に特徴的な湿疹などの症状や流行をもとに行います。迅速検査はありません。
治療としては、特別な治療薬はないため、症状に応じた対症療法を行います。
●りんご病にかかったら保育園や学校、仕事はどうする?
頬の赤みなどの発疹が出た頃には感染力がなくなっているため、頬が赤くなってりんご病と診断された場合には、元気な場合は登園・登校、出勤してもかまいません。保育園や学校の規定があることもあるので、それぞれご確認ください。
●りんご病にかかったときのケア
《感染者へのケア》
・十分な水分補給と休養をとる。
・発熱がある場合は解熱剤の使用も検討する。
・発疹が出ているときは身体を温めると発疹や痒みがひどくなることがあるので、湯船につかることは避けてぬるめのシャワーにする。
・発疹が治まっても陽にあたると再発することがあるので、発疹が治まった後も1週間ぐらいは直射日光に長時間あたることを避ける。
・妊娠中の場合は早めに産婦人科を受診し胎児への影響がないか診てもらう。
《家族などの対応》
・こまめに手洗いうがいをする。
・マスクをする。
・食器やタオルなどの共用を避ける。
・妊娠中の場合は極力接触を避ける。
どれだけ予防をしていても、かかってしまうこともあります。
気になる症状がありましたら当院をご活用ください。